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江戸の粋な味を今に伝える300年の老舗、東京三田の秋色庵大坂家。

私はその味の見事さにほれこんで定期的に通っています。このお店の看板商品は秋色最中、秋色しるこなどがありますが、これらよりも是非味わっていただきたいのが生菓子です。出来栄え、意匠、味、どれをとっても全国でも最上級だろうと思っています。

さて今月は下旬になってようやく大坂家に行きましたが、まず買おうと思っていたのがうぐいす餅。うぐいす餅だったらどこでも売っているじやないか、と言われそうですが、ここのはまるで別格。まずまぶしてある粉の色が実に渋い色をしています。形状は楕円形をしていて、丸形の多いうぐいす餅にあってはなかなか面白いです。いただいてみるとお餅の食感がとにかく素晴らしく風味もよく効いています。中の餡子も全くうるさくなく、もう一個食べたくなってしまいます(母の談)。







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今週の生菓子は二つ。まずは「桃の花」。ちょっと五月のツツジにも見えなくはないです。

桃はまだ咲いてはいませんが節句に桃の花はかかせません。最近はお花屋さんに行くと束で桃の花が売ってますが、値段を見たら1500円とか。私の家の前で伸びたい放題している梅で代用したいところです。





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もう一つは際立って美しい意匠の「貝合わせ」。貝合わせというのは平安時代から伝わる遊びで、ハマグリの裏に『源氏物語』の絵を描いたりして美しく仕立てた貝を使うものです。雛道具のひとつにはこの貝合わせの貝を入れる貝桶があります。

こちらの生菓子には貝の上に桜の花びらがあって非常にきめ細かに造られています。貝の微妙な色合いも大変よく表現しています。とにかく見た目が美しいのでお稽古や茶会で使いたくなってしまいます。



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ここからはおまけ。店内の菜の花、桃の花と極小の雛壇。





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大坂家近くの和菓子屋・文銭堂の店頭に飾られたひな祭りの糖芸菓子。十二単の作りが実に見事です。







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店頭に飾ってある絵です。毎月変わる上にどなたかが手作りでやっているよう。今回もお雛様の鮮やかな装束など見事に描かれています。