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川上不白が草庵を構えていたのはこの辺りだったかと思いながら派手な朱塗りの楼門を潜る。

江戸千家は神田明神が興りである。如心斎の門弟の不白はここに暮らしていた。今では池之端に江戸千家はある。







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青い空を背に梅は日を受ける。受けた花弁は春の酒の香りを皆に届ける。梅の香に酔うのは春に酔うも同じだ。





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眠たい眼をこすりながら梅白梅は陽気で目覚める。未だに寒気の戻るのをこわごわと怯えつつも花弁は勝手に開く。白無垢がまぶしい。でも実は白はすべてを知っている色である。純心であって玄人なのだ。





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神田を北上する。かねやすに出る。雰囲気が変わる。帝大の磁場の範囲内に這入る。

かねやすはそういえば『三四郎』でも言及されていた。里見美禰子の付けていたりぼんがこのかねやすで購入したものなのだそうだ。今も婦人用の服を売っている。





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帝大の赤門はまろやかである。構内のいかめしい伽藍面とは打って変わった柔和さである。

他校生の面をして中に這入る。今は授業が無いから観光客ばかり。やはり帝大を見たというだけで自慢になるのだろう。私というと単に心字池の底まで下りてそこで里見美禰子の幻影を見ようとしてみただけである。




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心字池は野生があった。野鳥が多い。大変に落ち着ける場所だ。



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椅子に掛けて『道草』を読む。「道草」とはどういう意味だろう。低徊のことかしら。



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二階部分に装飾性のある昭和初期めいた店舗である。なんだか詰襟を纏った学生が這入っていきそうな雰囲気だ。





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鳳明館という文化財の建物。修学旅行生の一行が今日は泊まるらしい。




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こちらは求道会館。教会のような建築である。







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本郷から根津へ出る。お気に入りの根津権現に寄る。今は何もないかと思ったら拝殿の前 一番良いところに見事な紅梅が咲いていた。




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枝ぶりの良い絵になる梅だ。背景の半蔀とよく合う。



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ちょうど一番良い時の咲きぶりである。





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鳥居前には白梅も。







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根津から南へ 池之端を目指す。串屋のはん亭の建物は文化財建築。脇を通るといい匂いがする。





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瓦葺の塀に風情を感じる和風家屋。珈琲店でもある。






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池之端の銭湯 六龍鉱泉。大変に熱い湯で知られる、東京の名銭湯の一つである。





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池之端から上って上野の台地に出る。東照宮は牡丹園が見ごろならしい。



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五条天満宮では河津桜が人を寄せる。遠目からもよく花が目立つのが良い。



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少し濃い紅を見ると季節の移ろいを感じる。






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しだれ梅である。紅梅と言うにはちょっと足りない色の濃さである。


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上野公園の寒桜。こちらはもう終わりかけ。だんだんと花は色が染まっていくらしい。バンマツリみたいだ。




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アメ横に出る。用もないが景気が良いのは見ていて悪くない。




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最後は上野薮蕎麦で遅い昼飯を。薮蕎麦の中では私は此所の味が一番好き。

あまり目的も無い低徊はこれで終わり。