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貝母がちょうど良く出てきた。寒芍薬は外人とは思えぬほど茶花に合う。金鳳花の仲間だから深山金鳳花の冬版みたいな感じだろうか。

朗らかな春。朗らかな冬。もっと季節が進むと華やかな春になる(だが実は最も憂鬱が非道い時期である)。





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和菓子は金沢の「中島」のものを用いた。一昨年此所で同じものを購入して気に入ったので再び寄った。金沢の和菓子は他の都市と比べてもはるかに洗練されている。色合いは雪のように淡い。きつい色合いもあるけどそれは金花糖みたいなものだろう。

右が兼花苑 左がおぼろ月と言う。兼花園のほうは固い衣をした美しい乳白色の和菓子。洋菓子的なカリッとした食感が斬新だ。対しておぼろ月はどこまでもやわらかい。柚子の香りがふんわりと口を包む。この対照が実に良い。私にとっての不世出の和菓子の一つである。


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とらやの 桃の里。求肥を中にくるんでカルメラをまぶした風変わりな意匠である。とかく甘い。そしてカルメラの食感に違和感を覚える。和菓子と言うのはこんな甘い味じゃないなぁと思う。たぶん現代人の味覚に合わせてとらやの和菓子も相当味を変えたことだろう。難しいと思う。昔の人の感性でもって和菓子を作ったらこういうものは生まれまい。現代人の舌というものはあまりに甘さに慣れ過ぎている。もう少し無味の味わいというものもあっていいのでは。無味というよりは幽玄というか。あまり味が無いんだけど後からふわぁとくる。

もう少しきちんと和菓子を選んでみたい。もっと本当の感性でもって良い和菓子をいただきたい。そう感じた。