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飛騨山脈の上高地。河童橋から南の方に目をやると梓川の向こうに火山らしき山が見える。飛騨山脈唯一の活火山である焼岳だ。

焼岳はちょっと変わっている。飛騨山脈の中でもはじかれたような位置にある。焼岳を「小兵」と評した某作家もいるがその存在感は際立っている。なんたって今も元気な活火山だ。噴火する恐れもある。そしてそり立つような傾斜や荒々しい岩肌。小兵どころか火山らしい火山の力強い山である。

焼岳に登ろうと思ったのは穂高が見たかったためである。7月あたりに穂高に行く予定なので出来るだけ近くの山に登って予行演習と行きたかった。そうすると丁度雪解けの焼岳は最適であったのだ。


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朝五時の穂高と梓川。朝いちばんに上高地に着く。ヒガラやウグイスの鳴くさわやかな空気の中登山口へと向かう。案外寒くはない。

此処から見る穂高は予想より雪が少なめだ。これならこの時期でも登れるかもしれないと思ってしまう。


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白花エンレイソウ

帝国ホテルの前に咲いていたエンレイソウ。大きな三つ葉が特徴だ。この時期の上高地は遊歩道に沿って様々な花が咲いている。



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ヤマエンゴサク

延胡索はケシの仲間。漢方薬にも用いられるそうだ。



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5:50

焼岳の登山道に入る。焼岳の噴火が作り出した脆い土壌が見て取れる。熊が居るらしいので緊張しながら歩く。登山者は一人もいない。




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大きな岩の多い登山道。熊笹とダケカンバから成る林はけっこう綺麗だ。




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6:45

歩くこと一時間で景色が開ける。向かいの霞沢岳が見える。穂高を展望する絶好の場所だそうだ。




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むき出しになった山肌。火山の噴火によってえぐられたものだそうだ。つい百年前に大噴火し今もかなり活発な活動を続ける焼岳。登山道には大地の力を示す光景がいくつも見られるのだ。






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ようやく雪が解けた登山道には蕗が咲いていた。平地のよりも大き目である。雪解けが遅いと六月まで蕗は残りそう。




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私の苦手なはしご。10メートルはある長いもの。崩壊地を避けるようにして登る上高地側からの道ははしごが多い。けっこう高度感があるので怖かったりする。






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だんだん高度が上がってくると焼岳が間近に迫ってくる。





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7:20

まだ営業していない焼岳小屋。辺りは雪だらけだ。





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右手に雪を被った秀麗な山が顔を出す。岐阜側の名峰 笠ヶ岳である。山頂が曇っていて笠の形をしているのが確認できないのが残念。





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7:30

峠になった部分から焼岳を見る。ここからの下りと登りは道がはっきり見えているせいで中々進まないように感じる。



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ところどころ火山ガスが噴出している。噴出が確認できる箇所はかなり多く焼岳がとにかく活発な火山だということが分かる。



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荒涼とした山頂に至る登り。たまに反対の中の湯側から下ってきた客と会う。




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途中で道を間違えてしまいとんでもないガレ道を歩く羽目に。一応この非正規の道からも挑戦した人もいたらしく足の踏み跡があった。



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かなり傾斜のあるガレ場から。非正規道はけっこう冷や冷やしたがなんとか無事に戻ることが出来た。



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残雪道を行く。雪はほとんど残っていなかったので安全に歩くことが出来た。



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最後の上り坂より。



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山頂部に出ると焼岳の南峰が姿を現した。こちらは通行禁止だが10メートルほど北峰より高い。左奥に見えるのは乗鞍岳。




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噴煙を上げる箇所。かなり硫化水素臭がする。




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8:50

山頂に到着。実に良い天気である。いつまでも見ていたいような素晴らしい飛騨山脈の景色が広がっていた。とはいえ今の焼岳は噴火してもおかしくないくらい元気なので早々に立ち去る。



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火口湖にはいまだに雪が残る。




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勢いよく上がる噴煙。身の危険を感じてしまうほどだ。



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山頂から見る上高地の景色。焼岳の噴火が谷を埋め上高地の地形を作ったそうだ。出発した帝国ホテルの紫の屋根が小さく見えている。




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登ってきた道が山頂からは綺麗に見える。そしてその向こうには穂高が。



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10:00

一気にガレ場を駆け下りて下山。とはいえ上高地への道のりはとても長い。



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大分遠ざかった山頂部。雲も出てきた。ここまでくれば噴火しても大丈夫だとか考えながら急いで歩いていた。







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梯子場再び。この梯子場のせいでたぶん焼岳には二度と登りたくないかもしれない。







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ムシカリ

再び森の中に入ると花がたくさん。ムシカリはガクアジサイに似た山ではおなじみの花。




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ネコノメソウ

トウダイグサにも似た不思議な花。これは初めて見かけた。



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オオタチツボスミレ

この時期の上高地にはこういうスミレが多く咲いている。小さいけどぜひ注目してほしい。


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ニリンソウ

焼岳登山道にとにかく多かったのがこのニリンソウ。沢近くで繁茂していた。


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ニリンソウの群落。疲れた私を癒してくれた。



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オオバキスミレ

こちらは黄色のスミレ。小さいのでよく見ないとスミレだと気付かない。


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サンカヨウ

蕗のような大きな葉っぱが特徴的。雨に濡れると花が透明になるそうだ。




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11:50

約6時間を経て登山道入り口に再び戻ってきた。今回はこの前の丹沢で苦労した分楽はできたかもしれない。素晴らしい天候に恵まれ気持ちの良い登山が出来た。