久々の「数寄者之手鑑」企画をやります。第八回目となる今回は、前回の井戸茶碗特集から二年以上間が空きました。古唐津の茶碗を取り上げます。



「数寄者之手鑑」という題名は、以前も書きましたが、私なりの願いを込めてつけたものであります。すなわち、数寄者の方が気軽に見ることのできる手鑑的なものであって、もっと世の中にたくさん数寄仲間が増えてくれたらな、というものであります。半分は私に収集癖があって、自分のために作ったものでありますが、一方ではたくさんの人に見てもらえたら私にとっての慶びであります。文化財、古き良きものは皆にとっての宝でありますし、そういったものが身近にあって見ることが出来るのであれば教育的にも素晴らしいでしょうし、何よりそういった環境というのは恵まれていると同時に我々が整備して後世に残すべきではないでしょうか。

しばらく、私自身数寄を忘れ、身心を患ったことによって茶道具へのあこがれ、興味は遠ざかってしまいました。そのあいだに当所の題名は「茶道 表千家 幻の短期講習会」から「恵美里と美衣奈」に変わりました。このことはもはや当所は茶道専門の場所ではなく、私という個性の思索と実験の場となったことを意味しております。しかしながら、以前からの茶道の話題に関しては出来るだけ引き継いでいこうと思っています。今は茶道を休んでいる私ですが、ようやく数寄心は一年の休養を経て復活しましたし、近く新たなお稽古場も探す気でいます。私にとって茶道は一生モノであります。今までだいぶ点前の方は中途半端にやってきましたが、もし体力と時間があるならこれから本式で運動して、師範の資格までとれたらと言う風に望みます。ですから、当所では以前どおりに茶道の話題は扱い続けていく予定です。



ちょっとした意見を挟みましたが、本題に移ります。今回の特集は古唐津茶碗であります。実を言うと、今まで私は茶道具のことが嫌いになっていて、茶道具は純粋芸術ではない出来損ないだとさえ思っていました。そういう意見を変えてくるきっかけをくれたのがこの唐津焼でありました。たまたま神保町の古書店街で古唐津の図録を見つけたのです。それを見ているうちに私の焼き物に対する感情に変化が起こりました。再び私の数寄心に灯がともったのであります。唐津焼というのは実に私にとって興味深い焼き物として映りました。巧みな筆使いの大皿にのんべえの供ににぴったりなぐい呑みと徳利、そして高麗茶碗に劣らぬ侘びた風情を持つ奥高麗茶碗、古唐津の多様性は私が今まで気づけずにいた謎であり、大いにその世界へと引き込まれてしまいました。

唐津とは皆人にとっては、ちょっと諧謔味のある、素朴で親しみやすい器として立ち現われるのではと思います。楽焼のような緊張感がある訳ではなく、志野焼のような大人めいた風格がある訳でもない。唐津は少々侘びた色を持っていますが、他を拒絶するような孤高の茶陶とは違います。たぶんそういう印象はぐい呑みや懐石道具、水指の、それものびのびした筆使いの絵が描かれた唐津を見て抱かれるものかと思います。確かに唐津焼の面白味、特長はそういう気軽な感じ、のびやかな感じによって生じるものでありますし、現在の唐津焼の主流というのはそちらに寄っているんじゃないかという気がします。しかしながら古唐津の歴史というものを紐解いて見る時、其処にあるあまりの多様性、変幻自在ぶりには現代の唐津の偏見に浸かった人にとっては吃驚させられるだろうと思います。実は古唐津というのは茶陶でも最も分類の豊富な焼き物として知られておりまして、同じ唐津とは思えぬものさえ多々あります。試しにその種類について列挙してみましょう。


奥高麗 :井戸、熊川、呉器など高麗茶碗を手本に造った唐津茶碗。曖昧な名称。
瀬戸唐津 :瀬戸釉に酷似した釉薬を用いた唐津。基準は曖昧。
絵唐津 :絵具にした黒錆(四酸化三鉄)で絵付けを施し長石釉をかけた唐津。
朝鮮唐津 :藁灰釉に鉄飴釉をかけた唐津。水指、花入、徳利に多い。
斑唐津 :白灰釉と飴釉がまだらにかかった唐津。
三島唐津 :白化粧を施し朝鮮の古三島、彫三島の文様を加えた唐津。
黒唐津 :全体を黒釉で覆った唐津。
二彩唐津 :刷毛目の上に鉄と銅の絵の具を使って文様を描いた唐津。
彫唐津 :焼く前に簡潔な文様を陰刻した唐津。
備前唐津 :備前焼と同様に全く釉薬をかけないで焼く唐津。
その他、摺り絵唐津、掘り出し唐津、辰砂唐津、黄唐津、青唐津など


まだ奥高麗や絵唐津、朝鮮唐津となれば頻出でありますが、その他の分類はかなり珍しい部類でありまして、私が見たことの無い種類の唐津もいくつかあります。まぁ、実に驚くべきその多様さであります。東の美濃焼もその分類の多さでは有名ですが唐津とは規模が違いますし、志野、織部、黄瀬戸、など分けて呼んだ方が良い窯もあります。なぜここまで様々な唐津焼が作られたかと言うと、唐津は焼き物文化交流が大変に盛んであったからであります。海の向こうからは朝鮮の陶工が新技術を伝え、東からは瀬戸、志野、織部、備前といった先進的な和物の影響を受ける。唐津焼というのは元々朝鮮との交易の為に室町時代ごろから雑器として焼かれていました。そんな地方の田舎窯であった唐津焼を洗練させた「経糸」が斬新な技術を持つが朝鮮陶磁であり、「緯糸」が茶道によって洗練された美濃焼であったのです。そうした非常に密度の濃い交流の中で慶長年間には古唐津の顔となる奥高麗や絵唐津が最も盛んに焼かれ、唐津は稀に見る多様化の時代を享受したのであります。

唐津にはその誉れ高い語として「一楽二萩三唐津」と言う風な呼ばれ方がされてきました。無論井戸茶碗を除けば、千利休と楽長次郎の創りだした究極の侘茶碗である楽焼は頂点に来るでしょうし、その次には井戸焼に対する執念の結晶として出来上がり、強烈な個性と作為を持ち合わせている萩焼が来ますでしょう。三番目に唐津が選ばれたのは、志野焼とのし烈な席次争いの中で朝鮮陶磁との近しさを評価されてのことだったろうと思います。この「一楽二萩三唐津」には明らかな前提条件があります。すなわち①侘びていて、②和物であり、③茶碗を中心に造っている、という三点であります。この名称、おそらくは大正時代くらいに提唱されたのではないかと私は考えますが、当時から茶道具の趨勢は侘びた和物茶碗にあったということでしょう(かつて茶道具の中心は茶入だった)。そう考えて、もう一度唐津茶碗と志野茶碗を頭の中で比べてみます。私は貫禄という点では贔屓目に見ても唐津の方に軍配は上がらなさそうな気がしているのですがどうでしょう。何せ志野茶碗には国宝 卯花墻を始め名だたる茶碗が揃っていて、なんだか勝てそうにないのです。しかし志野茶碗はあまり侘びているとは評されません。その形容は唐津の奥高麗にこそふさわしいと言えましょう。もっとも伝来品の多い絵唐津に関しても、必ずしも侘びているわけではないですが、貫入の入った琵琶色の景色などには侘びが認められうると思います。

古唐津の茶碗もやはり例にもれず種類が豊富です。その中核をなすのは最もよく流通している諧謔の絵唐津なのでしょうが、それだけでもって古唐津を語っては欲しくありません。奥高麗には濃い侘びの香りがありますし、斑唐津には目を見張るような残雪期のような美しい景色が展開されていて、黒唐津には明らかな織部焼の影響下にあることが分かります。何か一つだけでもって語ることが出来ない、それは古唐津のむずかしさであると同時に魅力であるのです。

それでは古唐津を見ていくことにしましょう。一応メリハリをつけるために、五つ厳選した逸品をはじめに紹介したいと思います。奥高麗が多くなってしまい偏りがありますが、確かに茶道具的な重要度は殆ど奥高麗におかれてしまっているのであしからず。




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1、奥高麗茶碗 銘「秋夜」 松平不昧所持 出光美術館蔵

奥高麗の良さを最もよく分っていた茶人、それは松江藩の藩主で江戸中期最大の数寄者であった松平不昧でありましょう。不昧は名物蒐集の為に莫大な額をつぎ込んだことで知られていますが、その蒐集録たる『雲集蔵帖』にはいくつか奥高麗の名が記載されています。かの有名な喜左衛門井戸を始め、多くの名物を手中におさめた不昧でありましたが、一方ではあまり箔の無いお道具も好んで取り上げ、自ら風雅のある銘をつけてもいました。この「秋夜」はそんな風にして不昧によって最も箔をもらった唐津茶碗であろうと言えます。

作風は朝鮮のととや茶碗を思わせる大変大人しいものです。その静寂にあって垂れている長石釉の上品さはこの茶碗の景色をこの上なく秀逸なものに仕上げていると言ってよいでしょう。この茶碗のもつ均整、侘びの神髄を行く静けさは私が思うに奥高麗でも最高ではないでしょうか。




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2、奥高麗茶碗 銘「三宝」 和泉市久保惣記念美術館蔵 重要文化財

1とは打って変わって伊羅保茶碗のような形や色を想わせるのがこの三宝であります。この茶碗は別名を「是閑唐津」ともいい、この後で登場する中尾唐津同様に中尾是閑と言う茶人の所持でったそうです。「秋夜」とは全く対照的な動的な感じのする姿はなんとなく喜左衛門井戸を思わせるところがあります。熊川茶碗や井戸茶碗、呉器茶碗を写したとされる奥高麗の中でも異例の表現を持っていると言えます。逆三角形で見る者に緊張感を抱かせる出色の出来であり、重要文化財にも指定されています。




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3、奥高麗筒茶碗 銘「子のこ餅」 千利休所持 個人蔵

千利休所持として高名な筒茶碗。

利休と言う茶人は他人と同じ好みの茶道具を用いることを徹底して忌避した人でした。だからいかにも典型的に侘びたような備前や信楽はなるべく用いず、黄瀬戸や狂言袴、古三島といった当時の新分野を開拓していたのであります。この子のこ餅の茶碗もそういう利休の冒険精神によって見出された唐津であると同時に、古唐津でも最古の作例とされています。この子のこ餅は朝鮮出兵後に大革新を遂げる古唐津の、本来的な姿を保っている作品と言われ、古唐津がいつ始まったのかを知る一つの歴史的資料でさえあります。

この子のこ餅は上の二つの奥高麗とは作風が異なり、しかも最初期に属するものです。見た目はまるで古黄瀬戸を思わせる無作為に貫徹されております。他の二つの利休所持の筒茶碗、すなわち「三島桶」と「引木の鞘」と共通した寂とした風情はいかにもという感じの利休好みを示してくれるでしょう。余計な黒錆の絵も、色を添えるの釉薬も一切ないすさまじき景色は実に鑑賞というものの面白味を教えてくれます。




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4、絵唐津ぐりぐり文茶碗 出光美術館蔵

絵唐津からはこちらの一品を選出しました。

私は絵唐津の神髄は諧謔だと思っています。人の丹田を緩ませるような筆遣いこそ、絵唐津に最もよく合うのです。このぐりぐり茶碗なぞは半分笑いを取りに来ているかのような造形でありますね。絵付けは非常に単純そのもの。口縁をなぞり、遊び心のような筆致で描かれた絵付けには織部焼のそれとはまた違った愉しさが見いだせそう。見た目こそ典型的な唐津でありながら強烈な印象を残さずにはいられない逸品です。




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5、彫唐津茶碗 銘「玄海」 個人蔵

最後に選んだのは彫唐津です。

ヘラで窪みを造り模様を描き出すというのは古伊賀などにも見られる手法ですが、彫唐津の陰刻はかなり大きく深めであります。ヘラの代わりに人参などの菜類を用いているそうであります。

この玄海は特に釉薬が白っぽくて、既存の唐津とは全く違った印象を与えます。斑唐津にも似た新雪のような美しい色合いは琵琶釉にはない気高さを見せてくれて唯一無二の個性を感じさせてくれます。唐津には珍しい志野形寸胴の、陶芸家の技法が凝縮された造形もまた素晴らしいの一言であります。








奥高麗


ここからは種類別に唐津茶碗を紹介していきます。

まづ筆頭に挙げるべきは侘茶碗との誉れ高き奥高麗。その名称は元々高麗茶碗であると勘違いされてしまっていたことから来ているそうであります。奥高麗と言うのは実に曖昧な名称でありまして、通常の無地唐津と申して良い物もあります。だいたいは長石釉を用いたものでありますが、発色は様々で、井戸茶碗っぽい琵琶色のものもあれば、熊川らしき白桃色のもの、ととや茶碗のような肌色のものなど多岐にわたります。奥高麗には銘のついているものが多く、特に茶人の間で珍重されたことが伺えます。鑑賞の要点はかなり高麗茶碗と似ていますが、奥高麗特有のものとしては、大きく顔を出した土見せでありまして、その釉薬の流れる様を心行くまで愉しむべきであろうと思います。




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奥高麗茶碗 銘「糸屋唐津」 糸屋良斎伝来 個人蔵

本来ならば上の五品に挙げるべきであった逸品の糸屋唐津。井戸茶碗じみた形の中に、ぽつぽつと見える土の景色が何とも言えぬ枯れた風情を醸し出しております。




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奥高麗茶碗 銘「さざれ石」 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵
 



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奥高麗茶碗 無銘 個人蔵



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米斗り(よねはかり)茶碗 五島美術館蔵






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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 銘「残雪」 逸翁美術館蔵




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奥高麗茶碗 銘「山里」 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 銘「山里」 個人蔵

上の同名の奥高麗とは別物です。


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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵




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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵

よく見ると下部には陶工の手形の跡がくっきりと残っています。



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奥高麗茶碗 銘「曙」 出光美術館蔵





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奥高麗茶碗 銘「安井」 大和文華館蔵


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奥高麗茶碗 無銘 藪内家伝来 箱書に「利休所持」とあり 耕三寺博物館蔵

箱書きには利休所持とあるのですが、実際は奥高麗というのは利休死後の慶長年間に興った焼き物ですので、史実ではありません。おそらくは箔づけのために吹聴されたのでしょうが、それにしてもちょっとはうなずきたくもなる実に侘びた出来具合ではあります。



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奥高麗茶碗 無銘 田部美術館蔵




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奥高麗茶碗 無銘 本願寺伝来 MOA美術館蔵





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奥高麗茶碗 中尾唐津 鴻池家伝来 個人蔵



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奥高麗茶碗 銘「かすがい」 個人蔵



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奥高麗茶碗 中尾唐津 銘「福寿草」 根津美術館蔵




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奥高麗茶碗 無銘 根津美術館蔵



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奥高麗茶碗 銘「深山路」 松平不昧所持 個人蔵


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奥高麗茶碗 無銘 個人蔵




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奥高麗茶碗 銘「芙蓉」 川上不白の箱書 個人蔵





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奥高麗茶碗 無銘 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 無銘 個人蔵






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奥高麗茶碗 銘「閑窓」 田中丸コレクション

個人的には最も気に入っている一品。雁のような鳥が素早い筆致で描かれていて、これがまったく邪魔になるどころか良い味を出しているのが不思議です。強く出た轆轤目に、下部に溜まった長石釉の風情など、唐津独特の魅力が凝縮されております。










絵唐津

唐津の顔ともいうべき絵唐津。向付や大皿に見られる自由闊達な遊び心あふれる絵付けは大変に魅力的であります。しかしながら一方で絵唐津の茶碗を見ていくと、それらには異なった傾向を認めることが出来ます。それが何かと言うと、絵付けがかなり控えめなのです。やはり茶碗というのは他の茶道具とは違った性質、すなわち亭主と客の直接の橋渡しを担う存在として、特別の地位が与えられているが故に、荘厳さが求められます。ただ、絵唐津の場合はそういう堅苦しさよりも、瀟洒な筆使いで可笑しみを見る者に与えるような絵付けが多いように思われます。余り本格的な描き込みがなされているわけではないのですが、何か一笑を誘うような、肩の力を抜いてくれるようなところがある、それが絵唐津の良さではないでしょうか。




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絵唐津ぐりぐり文茶碗 出光美術館蔵



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絵唐津茶碗 銘「松島」 出光美術館蔵




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絵唐津鳥文茶碗 個人蔵





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絵唐津唐草文茶碗 出光美術館蔵




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絵唐津茶碗 無銘





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絵唐津茶碗 無銘 出光美術館蔵




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絵唐津丸十茶碗 出光美術館蔵

古唐津にはとりわけ多くの蒐集家、好事家がいます。中でも東の出光、西の田中丸はその一大蒐集でもって名を知られておりまして、数百にものぼる古唐津を有しているそうであります。上の丸十茶碗、これは出光美術館創設者、出光佐三が古唐津蒐集に凝るきっかけとなった茶碗であります。なんでも、出光のところにこの茶碗を売りに来た古美術商が古唐津について熱烈な弁を振るい、出光の心を唐津へと虜にしてしまったみたいです。以来出光は三百を超える古唐津を集め好事家の名を高めました。そんな出光コレクションの礎となった丸十茶碗、そう思うと一層深い感慨を覚えそうです。



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絵唐津丸文茶碗 出光美術館蔵




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絵唐津三輪文茶碗 出光美術館蔵



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絵唐津雁文茶碗 出光美術館蔵




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絵唐津平茶碗 個人蔵








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絵唐津草文茶碗 田中丸コレクション


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絵唐津蓮葉文平茶碗 個人蔵

元々は向付として造られ茶碗に転用されたものなのでかなり茶碗と呼ぶには違和感がありますね。異色の経歴を持つ茶碗であります。




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絵唐津菖蒲文筒茶碗 田中丸コレクション



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唐津鷺文茶碗 所蔵不明



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絵唐津皮鯨茶碗 個人蔵


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絵唐津茶碗 無銘 個人蔵




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絵唐津草花文筒茶碗 出光美術館蔵






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絵唐津草文筒茶碗 出光美術館蔵



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絵唐津斜格子筒茶碗 出光美術館蔵





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絵唐津人物文茶碗 出光美術館蔵







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絵唐津人物文茶碗 出光美術館蔵



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絵唐津桧垣文筒茶碗 個人蔵







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唐津筒茶碗 無銘 個人蔵





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絵唐津人物文筒茶碗 出光美術館蔵




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絵唐津草木文筒茶碗 出光美術館蔵





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絵唐津草文筒茶碗 出光美術館蔵






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絵唐津筒茶碗 銘「篝火」 出光美術館蔵

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絵唐津双鶴文平茶碗 個人蔵



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絵唐津沓茶碗 出光美術館蔵

此処から下にある絵唐津はどれも慶長元和のころに織部焼の強い影響を受けて造られた、ゆがみひずみの強く出た茶碗であります。まるで織部焼を見ているような錯覚に陥りますが、一方で織部焼のわりかし掻き込みの多い絵付けとは異なり、絵唐津は空中を漂うな肩の力の抜けた絵付けがなされていることも発見できます。




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絵唐津茶碗 無銘 出光美術館蔵






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絵唐津沓茶碗 無銘 出光美術館蔵






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絵唐津沓茶碗 無銘 個人蔵






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絵唐津沓茶碗 無銘 高台脇に「L」字 個人蔵




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絵唐津沓茶碗 無銘 高台脇に「L」字 滴翠美術館蔵

上の沓茶碗同様、緑色に見える釉薬を使用していますが、これは織部茶碗にも見られる銅釉薬であります。



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絵唐津胴紐沓茶碗 個人蔵



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絵唐津流水文天目茶碗 出光美術館蔵

下五つはかなり意外、ともいうべきか、絵唐津天目の茶碗であります。天目茶碗というと、和物では瀬戸天目が知られるくらいかと思いますが、私にも驚きの発見でありました。ただ、絵唐津で天目をやるということなので、本家唐物の格式高さを瀬戸のように真似るというよりは、そういう歴史的背景を無視してやりたい放題に焼いているという印象を受けます。なかなか面白い出来栄えになっています。



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絵唐津片身替文天目茶碗 出光美術館蔵






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絵唐津的矢文天目茶碗 出光美術館蔵



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絵唐津草花文天目茶碗 田中丸コレクション




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絵唐津天目茶碗 個人蔵









「子のこ餅」形筒茶碗

便宜的にこのように名づけました。上で三番目に紹介した子のこ餅という利休所持の筒茶碗と同形であることからその様に呼んでいます。1590年代、朝鮮出兵による岸嶽の波多氏改易、朝鮮陶工の流入などによって古唐津はその様相を大きく変えます。この子のこ餅形は、その朝鮮出兵以前の古唐津の旧体をよく残しているものとして、希少なのではないかと思います。



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唐津筒茶碗 銘「時雨」 遠山記念館蔵



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唐津筒茶碗 無銘 出光美術館蔵



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奥高麗茶碗 無銘 個人蔵






瀬戸唐津

瀬戸釉に似ているから、という理由だけで名づけられた瀬戸唐津、実にその定義は曖昧です。見た目だけ見ていると、白っぽくて、貫入が生じているので、普通の唐津とは大分違うものだとは分かるのですが、一部例外もあるのでややこしいです。


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瀬戸唐津鉄絵茶碗 無銘 出光美術館蔵


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瀬戸唐津茶碗 銘「飯塚」 出光美術館蔵


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瀬戸唐津茶碗 銘「朝露」 住友家伝来 個人蔵


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瀬戸唐津茶碗 銘「白珠」 木村定三コレクション


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瀬戸唐津皮鯨茶碗 滴翠美術館蔵



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瀬戸唐津茶碗 銘「蝉」 東京国立博物館蔵


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瀬戸唐津茶碗 無銘 個人蔵



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本手瀬戸唐津茶碗 個人蔵


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瀬戸唐津平茶碗 銘「波鼓」 田中丸コレクション




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瀬戸唐津茶碗 銘「冬の月」 松平不昧所持 野村美術館蔵






黒唐津

ぱっと見では総黒の織部茶碗と見分けのつかないのが黒唐津。使っている黒釉は微妙に織部焼のものと異なっているみたいなので、其処で景色に違いは現れるだろうと思います。


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唐津茶碗 無銘 出光美術館蔵



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黒唐津梅花文茶碗 出光美術館蔵




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黒唐津洲浜茶碗 個人蔵



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黒唐津筒茶碗 無銘 個人蔵


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黒唐津洲浜形茶碗 個人蔵







蛇蝎唐津

蛇蝎(さかつ)とはヘビとサソリのこと。正直言ってあまり触れたくないような奇怪な形と色合いをしています。黒唐津の近隣種でありますが大分印象は異なります。

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蛇蝎洲浜形茶碗 逸翁美術館蔵







黄唐津

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黄唐津茶碗 個人蔵


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黄唐津平茶碗 無銘 個人蔵







朝鮮唐津

藁灰釉(白)と鉄飴釉(黒)の交響が美しい色合いを生む朝鮮唐津。茶碗の作例は極めて少ないですが、水指や花入れとは違う矮小さの中に釉薬の織りなす芸術が発見できそうです。

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朝鮮唐津茶碗 無銘 個人蔵




斑唐津

現代の好事家に人気ダントツ一番の斑唐津。需要はぐい呑みの方に傾いていますが、わりかし茶碗もその景色の美しさから珍重されています。


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斑唐津平茶碗 無銘 個人蔵




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斑唐津茶碗 銘「白鷗」 田中丸コレクション



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斑唐津皮鯨茶碗 無銘 個人蔵





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斑唐津茶碗 銘「山雀」 出光美術館蔵





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斑唐津沓茶碗 無銘 出光美術館蔵







彫唐津


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彫唐津茶碗 銘「巌」 東京国立博物館蔵



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彫絵唐津茶碗 個人蔵





三島唐津

三島唐津は朝鮮出兵の際にやってきた陶工たちが、生活が安定してきた後に通常の唐津以外にも元々造っていた三島茶碗を唐津の土でも出来ないかと試行錯誤して誕生したものです。さすが本場の職人たちの手になるだけあって文様の絵付けは見事です。ただ本家の三島に比べると萩焼の三島写し同様にかなり作為性が茶碗の形などに顕れているのではと感じます。




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三島唐津茶碗 銘「蓬莱」 田中丸コレクション





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三島唐津刷毛目茶碗 銘「大海」 個人蔵


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三島唐津茶碗 個人蔵





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三島平茶碗 個人蔵









その他

分類の微妙なもの、無地唐津を挙げています。


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唐津鉄釉彫文茶碗 出光美術館蔵



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点斑文茶碗 無銘 広田不孤斎所持 東京国立博物館蔵

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唐津茶碗 無銘 個人蔵


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唐津天目茶碗 無銘 個人蔵

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唐津茶碗 無銘 個人蔵


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唐津平茶碗 個人蔵




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唐津茶碗 銘「友千鳥」 出光美術館蔵




いかがでしたでしょうか。本当はもっと多くの古唐津を提示できればよかったのですが、いかんせん調査不足なもので。また新しい情報を仕入れ次第適宜追加する予定であります
次回の数寄者之手鑑は唐津の好敵手というべき志野焼、もしくは唐津と並び称される萩茶碗、今興味を抱いている乾山焼のどれかを取り上げます。