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今日は上野へ。

文教地区の中心には博物館がある。特別展の春日様がやっていたけれども今回は平常展だけで。





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善光寺式の三尊像。光背と言う後ろの装飾が大きい。

善光寺式の本家は無論長野の善光寺。本尊は誰にも見ることができず、六年に一度、御前立の三尊が公開される。御前立は見たことが無いが、この仏像だけ見ると如何にも飛鳥調の古式だという感じがする。




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能、歌舞伎で有名な道成寺の神像。平安時代のものだったか。迫力はないが個性的な格好をしている。








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狩野派の二代目、元信が描いた屏風絵。この頃の狩野派はまだ徳川のお抱えではなく、絵自体は煌びやかさが無く、やまと絵的な表現のない山水画であった。

最近は山楽、山雪の江戸初期狩野派が注目されているけれども、初代正信、二代元信の卓越した山水表現は同時代でも指折りだし、こちらを特集した展覧会をやってほしい。




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琳派の中村芳中の屏風絵があった。これは吃驚した。全くこの絵は初出だ。

芳中はたらし込みの技法を全面に活かしたゆるい絵が最近では人気を博している。犬っころや千鳥の絵が有名だ。しかしこちらの絵は中国の古事を題材にしているからかなり異例である。しかも六曲一双の大作だ。上の方は曾我蕭白も描いた鉄拐仙人。




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なんだか横山大観が描いたような近代っぽい絵。しかしこれは江戸初期の作者不詳の屏風絵だ。

画面いっぱいに拡がる紅白の梅の老木が斬新な表現だが、なんとなくこれは桃山時代の狩野永徳の檜図を彷彿とさせる。江戸時代にこんな絵を描く人がいたのかと驚いた次第だ。



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円山応挙に師事した呉春の襖絵。人物の描写は上品で応挙っぽさを覚えるが、木の表現はどことなく与謝蕪村風。私も呉春のことは応挙の陰に隠れがちであまり調べて来なかったが、この絵などを見ていると勿体ないなぁと思う。

以上意外な収穫のあったトーハクであった。




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トーハク境内の表慶館。皇太子時代の大正天皇の成婚を記念してつくられ、夏目漱石の『行人』にも出てくる。主人公の二郎が父親と一緒に展覧会を見物するのだが、この時代は表慶館のほうで平常展をやっていたみたいである。小説では「一番くだらないのはノンコウの茶碗であった」という箇所があってそれが印象的だった。それから私もノンコウが嫌いになった。




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東京芸大に隣接する黒田館。登録有形文化財だ。この建物に入っている上島珈琲は芸大生や美術関係者がたむろしており、私もよく立ち寄る。




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黒田館隣の国際子ども図書館。元々東洋一の図書館をつくるつもりで建設が始まり昭和初期に完成。三田にあるコンドル設計 綱町三井倶楽部によく似たネオルネサンス建築で格調高い。




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寛永寺の根本中堂。元々トーハク本館の場所にあった中心伽藍にはにない堂があって浮世絵にも描かれるほどの名所であったが彰義隊の戦争で焼失してしまった。跡地は博覧会の会場になったため、場所を移し、同じく天台宗で徳川家とゆかりの深い川越の喜多院から伽藍をもらい再建したのが今のお堂である。



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トーハク裏に残る徳川霊廟の門。御霊屋もあったのだが今は残っていない。朱塗りに銅板葺という江戸時代らしい造りだ。




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上野公園内では大寒桜が咲いていた。この桜の事を私はおちょぼ桜と呼んでいる。なぜなら咲いている花弁がおちょぼみたいに内すぼみだからだ。私の通っていた大学にはこのおちょぼ桜の並木坂があり、3月には毎年綺麗に咲いていたのを覚えている。



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早くも散ってしまったおちょぼ桜。花弁は一枚ごと散るのではなく薮椿の如くまるごと落ちている。地にあってももう一度花を咲かしているみたいだ。



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上野公園から不忍池に下り、南下して湯島を目指す。池の端では越冬に来た鷗たちが寒そうにうずくまっていた。





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なんとなく足が男坂のほうへと吸い寄せられて、登っていく。天神境内の梅は早くも終わりかけ。この前偕楽園を見たばかりだったので、梅はこちらではあまりこだわりが無くって見ごたえを覚えなかった。




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お礼参りに天神を訪れる人々。今が最大の繁多期だ。







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枝ぶりは良くないけれども梅は良い。梅の時期が春の慶びにあふれているからだろうか。






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本殿前の梅は一番奇麗。薄紅でちょっと多重になっている。




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梅は盆栽に合うのだろうか。確かに枝振りや幹の貫禄は申し分ないのだが、盆栽の大きさでやるには少々言うことを聞いてくれないから面白くない。まださつきの方が良い。




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最後は馬酔木の開花の御報せをば。

二月は随分と土が乾いただろうが、これからは晩春の前の多雨である。今のうちに今年の観桜は何処にするか決めておかないと。