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(津軽一円を見下ろす灯台、岩木山の山頂から)



秋津軽旅

目的:岩木山登拝、嶽温泉の湯治、津軽の庭園巡り

季節:リンゴの収穫真っ盛り、市内の紅葉見ごろ

日程:
一日目:弘前駅→瑞楽園→りんご畑歩き→岩木山神社→嶽温泉
二日目:嶽温泉からの岩木山登山
三日目:嶽温泉→弘前駅→清藤氏庭園→盛美園→澤成園→弘前駅→弘前城→弘前駅






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(弘前駅に11時前に到着、すぐに乗合に乗り込み郊外へ30分の宮舘地区へ、岩木山が見える裾野の立地)



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(猫も姿を見せるのんびりした光景)


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(旅の最初の目的地、瑞楽園へ)


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(豪農の家に造られた津軽特有の武学流庭園が座敷から見える)


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(巨大な石組や木々、大胆な空間構成が異色の瑞楽園庭園、津軽最高峰の庭とも言われる)



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(庭木の合間から見る主屋)


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(武学流における石を神の憑代として拝する独特の神観念が庭に反映されている)



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(庭園は冬の間でも閑散とした景色にならぬよう常葉樹の多い構成になっている、紅葉はかえで、どうだんなど一部のみ)

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(真ん中の三角形の大きな岩は岩木山に見立てられていて、正面から見るとなるほどよく似ている)



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(武学流庭園は芝を植えずに露出した土に苔の生えるままにしてあり、一部分は枯山水で川の流れを表現している)



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(前庭の二つの石は武学流では七福神のいづれかを表すものとして置くのが約束事になっている)


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(ほとんど加工されていない石を用いた豪快な大燈籠はやはり津軽特有)

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(庭園右奥の岩木山遥拝所に至る道にもやはり自然石を用いた燈籠が)


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(前庭の神への供物を備えるための平石、岩木山の溶岩石であり大変荒々しい)



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(瑞楽園を後に、岩木山の麓の方へ、目指すは二時間歩いた場所にある古社、岩木山神社)


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(山麓の道はほとんどがりんご園)


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(日が西日へと傾く中、岩木山に見守られつつ歩くりんご園の道)



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(この辺は手の届きそうな場所にりんごの木が沢山あって、農園の中を歩いているような気分になれる)


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(少しではあるが栗の木もあって実が道路に落ちていた)




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(ひたすらリンゴ園の道)


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(この辺で見たりんごの実はどれも贈答用の高級品というよりは食卓向けの庶民的な種類のものらしい)



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(あちこちからりんごの濃厚な香りがしてくる)


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(この十月下旬の時期はほとんどのりんごが赤く実って収穫を待っているような状況なので、秋の津軽らしい景色を見るのにはうってつけの頃だろう)


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(ひっきりなしに農家のトラックが行き交い、あちこちからは農家の人が収穫をしながら流しているラジオの音が聞こえる)



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(りんご園の真ん中を流れている鶏川)


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(津軽ではよく生産されている黄色のりんごが一面に)


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(岩木山麓を南へ進路を変えると山容が少しづつ変わってくる、だんだん山頂左のピーク鳥海山が見えるようになってくるからだ)


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(見える場所によってはゆるやかな裾野の美しい富士形が崩れてしまってあまり見栄えのしない岩木山があったりする)


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(私が歩いている間にも百沢の自衛隊演習場から戦闘機がいくつも空を引き裂いて飛んでいき、あふれるほどのりんごを積んだ農家のトラックが往来する)


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(岩木南麓の百沢地区までへとへとになりながらも至る、この地区から見る岩木山が最も均整がとれていて美しいとされる)


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(百沢の中心に位置する岩木山神社、岩木山そのものをご神体とし、山頂に本社のある神社の里宮に当たる)



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(参道からは寺院の本坊と思わしき端正な建物が見える、元々岩木山神社は百沢寺という寺院であった)



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(岩木山神社の狛犬、恐ろしさと神聖、諧謔が混在するこの不思議な石像はかの康弁作の国宝、龍燈鬼の立像を思い起こさせる傑作だ)



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(朱塗りの異色の神門、禅宗の三門を思わせるほどの体積の大きな建築である)


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(若狭神宮寺の本堂を思わせる格好良い、神聖さのある拝殿は元々百沢寺時代の本堂だった)



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(拝殿前の黒門には桃山時代を思わせるのびやかな装飾もある)



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(最奥部にある本殿は津軽藩主が贅を尽くして建立させた「奥日光」の粋である、石垣が高いので見られないが、2年前の五月にここを訪れた際には石垣の上まで雪が積もっていたのでよく装飾を見ることが出来た)



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(境内にあふれんばかりに流れる湧水、まさに岩木山の恵みたる御神水だ)


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(授与所の近くには桂の木とケヤキが静かな紅葉を見せている)

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(岩木山神社前から乗合に乗って15分、津軽藩主の湯治場でもあった歴史ある嶽温泉に到着、独特の硫黄臭が温泉場に満ちている、今回はここで二泊して、二日目に岩木山に登る)



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(嶽温泉はちょうど紅葉の見ごろの最中、部屋の外からも鮮やかな赤や橙の躍動を見ることが出来た)



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(嶽温泉の湯は人口には膾炙していないものの、青森では酸ヶ湯に並ぶほどの上質さを誇る、泉質はかなり草津温泉に似ていて酸性泉であろうが、湯の味は草津よりも酸っぱさがある)


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(前回入ったときは混じり気の無い無色透明であった嶽温泉の湯だが、今回はかなり白濁していた、客が多く入ったためなのか、それとも季節や火山活動の状態、降水量によって泉質にも変化があるのだろうか、なんにしても相当な効き湯であり、入った後は体を横たえていないといられないほどだった)



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(一夜明けて二日目、この日は朝から曇りだが、上空に一面薄雲が張っている秋らしい天候であり、天候が崩れる可能性は低い、登山をするにはまずまずの天気だろう、嶽温泉からは岩木山が綺麗に見えているが、ここから見えるのは山頂ではなく、西側のピーク鳥海山)


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(岩木山の登山道では最も登りやすい嶽登山道は温泉場のすぐ裏から出ている、五月にこの場所を見た時にはまだ50センチ以上の深い雪に覆われていた)



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(登り始めからカエデなどの紅葉が綺麗)



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(単調な登りを一時間続けるとケヤキの大木が立ち並ぶ森に変容、開放感のある空間である)




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(ケヤキはあまり紅葉としては知られないが岩木山のものは黄金色に輝けるようであり一見の価値がある)



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(ケヤキの森も終盤になると落葉して物寂しい風景になる、ここから上は早くも冬山だ)



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(登山道はだんだん雪に覆われる道へと変わってゆき、足を取られてしまいコースタイムよりも大幅に遅れることに)



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(八合目には二時間かかって到着、一気に見晴らしが開けるが体力は底をつきかけてしまう)


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(使う予定はなかったのだが、予想以上に雪が多かったためズルをして鳥海火口までリフトを使う、これで一時間分を歩かずして登ることが出来る)




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(鳥海火口駅からは火口の向かいから伸びるおみ坂を登って40分ほどで山頂へ至る)




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(鳥海火口はそれほど深くはなく水も溜まってはいないが迫力ある岩が露出していて数百年前の噴火の跡を偲ばせる)



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(おみ坂は雪に覆われてしまっているものの、雪山の装備がなくともなんとか登れる程度だった)




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(山頂に到着するとそこは360度の絶景が、津軽地方を象徴する山ならではだ)



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(東には雪を被った八甲田の連山が)


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(南のはるか向こうには八幡平、そして岩手山の姿も望める)




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(裾野を見下ろすといくつもの尾根と谷を持つ紅葉の森が)



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(西側に眼を見やると鰺ヶ沢、そして日本海までもが)




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(帰りは楽々下山、日光が出てきたので新雪は溶けだして登山道はかなりぬかるんでくる)



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(ケヤキの森は日光が入るとさらに美しさを増す)




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(燃えるが如きケヤキの葉のあと数日ほどの輝き)



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(ギザギザした葉っぱが特徴的なミズナラもやはり紅葉が綺麗、欅よりもさらに濃い色合いだ)





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(青空に映える見事なカエデの一本木)


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(麓の森まで戻ってくると陽光を受けて黄金色に染まる木々が)



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(登山口まで戻ってきたのは15時前、9時半に出立したのでだいだい予想通りの下山時刻であった、ただリフトが無かったら体力不足と新雪で間違いなく途中で引き返していたであろうから、きちんと反省しなければならない)




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(三日目は朝九時に送迎バスで弘前駅まで送ってもらい、そこからは弘南鉄道で庭園巡りへ)




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(車窓からはちょうど平賀~尾上間で西側に秀麗な富士形の岩木山を望むことが出来る、付近は刈り入れの終わった田んぼが多く、視界を遮る建物も少ない)




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(尾上駅で降りて徒歩10分、本旅二つ目の庭園のある清藤氏住宅へ、清藤氏は鎌倉時代から続く大変由緒ある家柄で拝観を申し入れると当主夫妻が庭園を案内してくれる)



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(清藤氏庭園はケヤキの落葉が深まる秋を感じさせてくれる実に落ち着いた風情のある庭であり、大石武学流庭園の最初期の作として珍重されている、明治維新で庭が半分に削られてしまって奥行きは無いものの、武学流の美学の本質を見ることが出来る庭園であろう)



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(無骨な飛び石とそれを覆う木々の影が美しい)



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(西側の蹲へ至る道は苔むしていかにも枯れた風情を持っている)


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(東側には枯山水があり、時の経過が醸し出す幽玄の空間がえも言えぬ見事さだ)



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(清藤氏庭園のすぐ隣には、清藤氏が明治期に造らせた盛美園があり、和洋という異なった様式の建築を一つの建物に収めた別荘が大変名高い)


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(盛美園の庭園はやはり大石武学流、ちょうど紅葉の真っ盛りであった)




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(この庭園は座式、座って鑑賞するのが本来的な武学流庭園にあって、大名庭園風の回遊式庭園となっている、また前面には禅寺風の枯山水もあり和風庭園の諸形式を貪欲に取り込んだ様が伺える)



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(蓬莱島のある景色は六義園などの貴人めいた風情を彷彿とさせる)


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(築山からは紅葉と泉水を見下ろす景色が相まって素晴らしい)




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(築山の向こうに見える洋館はその奇抜さのせいもあってお伽めいた印象がある)




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(津軽が誇る尾上の庭師が整えた紅葉と緑葉の美しい対比がある)


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(築山付近にも刈込や木立の美しさがある)



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(別荘は見れば見る程不思議な建物、二階の洋風建築が大きすぎるように見えるのだが、遠くから見ると破綻無く仕上がっているのである)



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(盛美園を後に四つ目の庭園へ、弘南鉄道終点の黒石駅から徒歩十分のところにある澤成園である)


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(澤成園は盛美園と同じく大石武学流の庭園でも庭に下りて歩いて巡る回遊式庭園となっていて、三つの池を巡りながら石組の妙を愛でる愉しみがある)



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(澤成園で何といっても特徴的なのは園内のかなりの面積を占める池泉であるが、その水面を見ているとそこに映る岸辺の石組の見事さにも気づかされる、あまり豪勢にもなりすぎず、かといって矮小でも無い様な、景色に完全に溶け込んでくる石群の選定を褒めずにはいられない)



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(最奥部には礼拝の対象である守護石が佇んでいる、青みを湛えた石はどれも美しい)



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(都風の大名庭園の影響を受けながらも、庭園設計の思想や石組に強烈な津軽地方の個性を反映する澤成園、是非再訪してみたい)



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(黒石駅から弘南鉄道で再び弘前駅に戻り弘前城へ、お城は桜で全国的に知られるが実は紅葉も綺麗)




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(弘前城の紅葉はカエデも多少あるが、意外にも古木のソメイヨシノの紅葉は鮮やかであり、目を見張るほど真っ赤に染まる)




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(木の全体が燃えるような色に染まるソメイヨシノ、ここまで綺麗な桜の紅葉は弘前城でしか見られない)



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(外堀とソメイヨシノの並木道の向こうにはお岩木様がそびえる)



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(弘前城の北側、亀甲門のすぐ向かいにある石場家住宅、現役で酒屋を営みながらも江戸時代に建てられたこの建物は国の重要文化財になっている)




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(石場家で弘前の日本酒を買ったところ、公開している住居部分を無料で見せてもらうことが出来た)



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(年季の入って黒ずんだ木材が艶光りして風格が出ている)


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(質素なしつらえの中に商家の矜持を感じる広間)




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(土蔵はこの地方特有で住居部分と直接つながっている、通常蔵は主屋とは独立して建っているものであり、雪の多い津軽ならではの構造だ)




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(質素な亀甲門から弘前城の中へ入る)



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(土塁の上では見事なカエデの紅葉が)



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(黄に橙に紅に変幻自在の色合いを持つお堀沿いのカエデ)



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(お堀へとせり出さんばかりの紅葉は水面にもにぎやかな色を映している)



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(本旅一番の紅葉、これ以上ないくらいに真っ赤に染まっている)



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(いつまでも見ていたいような、たそがれの美の世界が一枚一枚のカエデの葉に今まさしく広がっているのだろう)



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(15時前発の特急で弘前を発つ)



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(帰りの車窓からは名残惜しむ私の気持ちを汲むかのように岩木山が見えていた)