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全性寺の山門と冬の空 (東山町)


東京と金沢。二つの都市には驚くべき程の風土の差があります。

金沢にはあって、東京にはないもの。逆に、東京にはあって、金沢にはないもの。

東京は何でも便利で、金沢は日本の伝統文化が息づく街だなどという、良いとか悪いとかではなく、ただ、差異というものに注目したいのです。

風土、そしてそれを季節ごとに書き記した歳時記。心にとどめたい景色や、胸を打つ光景の数だけ、歳時記の可能性は広がります。

私はかつてこのブログで鎌倉や東京の四季の写真をよく上げていました。最近鎌倉は風情が失われ、東京は少々息苦しく感じることが多くなったがゆえに、今では近所や旅先の景色を写真に撮るようになりました。

先々月、久方ぶりに金沢を私は訪れました。かつて金沢に住んでいた私は魅了されてよく折々の風景を写真に収めていました。そして二十四節季の訪れごとにブログに記事を書いて壮大な金沢の歳時記を作ろうと企図したのですが、残念ながら帰京によって挫折してしまいました。その時の「歳時記を作りたい」という熱意は東京にいる間も心の中に残っていて、常に季節感へのアンテナを張りながら日々を過ごしていました。

今月、金沢を再び訪れた私はまず一月の「金沢の歳時記」を作ってみようと、四日かけて市内を巡りました。

一月の金沢、私の中では雨ばかりでどんよりしているだろうかと想像していましたが、思いのほか晴れ間は多く、それに温かったのです。歳時記を作る自分にとっては「季節らしさ」を見出すのに中々苦慮しました。それでも東京と言う都市と比べてみた時には金沢らしい気候は明確にありましたので、今回はそれを捉えてみようとしました。

四季の花は椿にさざんか、葉牡丹、南天に万両。東京みたくプリムラやアロエ、シクラメンのようなカラフルな洋花はなく、とても質素な印象を受けます。無暗に花で飾り立てるのではなく、花がない時期は花のないままにするという、金沢の人たちの美学を感じます。

気候は一日の中で激しく変化します。東京は晴れる日なら一つの雲もない快晴となりとても乾燥しますが、金沢は気候があまり安定せず、晴れ、曇り、雨が交互にやってくる日が多いのです。ウェットな街・金沢は湿気が豊富なのが住む側にとってはありがたい分、どんよりした天気が基本なので気分の沈滞に注意が必要です。

正月飾りは15日まで。最近では防災の観点から早くにしまってしまうお家も多いそうですが、東京だと7日にはもう門松がトラックにのせられて撤去されるのでこの点も違っています。15日には市内の尾山神社や石浦神社などで正月飾りをお焚き上げする左義長が催されます。








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横縞になった木板の美しい家 (長土塀町)

金沢にあって、東京に無いもの、その一。それは木造の建物でしょう。木は生き物ですから呼吸しますし、雨に濡れれば香ります。金沢は木造建築と雨によって、木の香りのする街となっているのです。美しく刈り込まれた庭木もですが、主の意向を反映した個性的な造りの建築は訪れた人を魅了してくれることでしょう。

この和風建築は昔の校舎のような一風変わったもの。窓を敢えてなくして木板をシンプルに並べることによってノスタルジックな風情が生まれています。






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洋間の増築された和風の家 (長土塀町)

雨に濡れた街・金沢。艶やかに光る路地に微かな風情を感じます。

このお家は昭和初期の洋風ブームに乗りながらも、それを一階右半分だけ改装するしています。こうして今に伝わる外観は金沢らしい個性にあふれたものとなっています。






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格子と差し込む光 (長町)

冬の光。それは夏の光と比すると弱弱しく、我々の体や土をちっとも温めてはくれません。太陽はその実、まだまだその本領を発揮するには距離的に遠すぎるのですから。それでも逆光の見せる光線が一瞬くっきりとするときには、「ああ、少しづつお天道様は力を蓄えているぞ」と思ったりするかもしれません。




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木々の影を映す薦掛け (長町)






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雨後の光差し込む路地 (長町)





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にし茶屋街のさざんか (野町)




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トタン壁の実だけになった蔦 (野町)



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春を待つ妙立寺のしだれ桜 (野町)





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妙法寺の山門と冬の空 (寺町)



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崖上から市街を見下ろす大ケヤキ (辻家庭園)




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滝の下 (辻家庭園)




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万両の実 (辻家庭園)




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小さな祠のある坂 (寺町)




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紅いさざんか (菊川町)



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白木蓮のふさふさとしたつぼみ (笠舞)




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天徳院山門の落雪除け (小立野)





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幾重もの屋根を持つ町家の側面 (尾張町)



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重厚な三階建ての家 (尾張町)



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エメラルド色の縁取りと白壁の印象的な洋風建築 (尾張町)


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苔むした乾泉にかかる石橋 (寺島蔵人邸)





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久保市乙剣宮のケヤキ (下新町)





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新春らしさ、水仙の花 (下新町)




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うつろう雲 (東山)




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茶屋街の寂しげな柳の影 (東山)


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茶屋街、数が減って来た南天の実 (東山)




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山門の草鞋 (東山)




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本光寺の石段 (東山)



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山門の木彫り (東山)





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麹屋さん (東山)



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鶺鴒 (浅野川)



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おんな川の流れ (浅野川)





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侘助椿 (東山)

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お宅の松の樹 (東山)





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こばし湯 (東山)





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金沢のお西さんの山門 (笠市町)





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魚網屋さんの看板 (笠市町)



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洋風建築の窓 (此花町)




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海からの風  (十間町)










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見晴らし櫓付きの旅館 (十間町)





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ガマの綿毛飛ぶ (金沢城)




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常緑の大樹 (金沢城)




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青く澄んだ二の丸の空 (金沢城)



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枯れ木の寂しげな鶴丸倉庫 (金沢城)





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松の皮 (兼六園)




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枯れて落ちた松の葉 (兼六園)




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薦掛けされた石灯篭 (兼六園)







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雪吊り (兼六園)